イケメン同期に素顔を見抜かれました
◎エピソード2
新しい年を迎えた午後。
櫂は、緊張した面持ちで、崎坂家の前に立っていた。
「今年のお正月は、お姉ちゃんが久々に帰省するから無理かなあ」
いつものように、淡々と受け答えをしたのは、付き合いだして1年になる彼女の芽衣。
年末年始、どこか旅行にでも行かないか? と誘った櫂への返事がこれだった。
確かに結婚して東京に行ったお姉さんとは中々会えることもないのかも知れない。
芽衣が大好きなのもわかる。
だけど、彼氏である自分のことだって、少しくらいは構ってほしい。
と、その気持ちを中々ぶつけることができず。
「そっか。でも休み中、1日くらいは一緒に出掛けたりしようよ」
カバンに入れていたいくつかの旅行会社のパンフレットは、結局芽衣に見せることができなかった。
「で、彼女にフラれて実家帰ってきてるってわけか?」
ガハガハと笑うのは、地元の友人たち。
大晦日、実家に戻っていた櫂は、友人たちとカウントダウンパーティーと称した飲み会を行っていた。
「……別にフラれてるわけじゃない。家族思いのいい彼女ってだけだよ」
少し強がって、手元にあったビールを飲み干す。
「ま、そのおかげで俺たちは櫂と飲めるし、いいんじゃね、たまにはさ」
砕けた口調の友人の言葉に、櫂の心も晴れていく。
「よし、今日は飲んで、新しい年明けを迎えよう!」
「おーっ!!」
その時、ポケットの中のスマホが突然振動をはじめた。
ディスプレイには愛する彼女の名前。
「ちょっとごめん」
友人たちに謝りを入れ、席を外す。
櫂は、緊張した面持ちで、崎坂家の前に立っていた。
「今年のお正月は、お姉ちゃんが久々に帰省するから無理かなあ」
いつものように、淡々と受け答えをしたのは、付き合いだして1年になる彼女の芽衣。
年末年始、どこか旅行にでも行かないか? と誘った櫂への返事がこれだった。
確かに結婚して東京に行ったお姉さんとは中々会えることもないのかも知れない。
芽衣が大好きなのもわかる。
だけど、彼氏である自分のことだって、少しくらいは構ってほしい。
と、その気持ちを中々ぶつけることができず。
「そっか。でも休み中、1日くらいは一緒に出掛けたりしようよ」
カバンに入れていたいくつかの旅行会社のパンフレットは、結局芽衣に見せることができなかった。
「で、彼女にフラれて実家帰ってきてるってわけか?」
ガハガハと笑うのは、地元の友人たち。
大晦日、実家に戻っていた櫂は、友人たちとカウントダウンパーティーと称した飲み会を行っていた。
「……別にフラれてるわけじゃない。家族思いのいい彼女ってだけだよ」
少し強がって、手元にあったビールを飲み干す。
「ま、そのおかげで俺たちは櫂と飲めるし、いいんじゃね、たまにはさ」
砕けた口調の友人の言葉に、櫂の心も晴れていく。
「よし、今日は飲んで、新しい年明けを迎えよう!」
「おーっ!!」
その時、ポケットの中のスマホが突然振動をはじめた。
ディスプレイには愛する彼女の名前。
「ちょっとごめん」
友人たちに謝りを入れ、席を外す。