初恋の君は俺を忘れてしまいました。
「こーうくんっ」


いやな予感はしたが、俺は声のする方向へ振り向いた。


そこには知らない人。


ブレザーのバッチの色からきっと二年の先輩だろう。


だが、顔に見覚えはない。


「もしかして、沙菜ちゃん探してるの?」


「・・・」


「その感じはそうなんだ」


「どこいった」


「沙菜ちゃんには先に行ってもらったよ」


「・・・なんで」


「あたしね、昂くんに・・・


俺はその人が言い終わる前に教室向かおうとした。


だが、それはその人が腕を引っ張ったため、止められてしまった。


俺はスキンシップがきらいだ。


・・・沙菜は例外だが。


「最後まで聞いて?」


「・・・なんすか」


「あたし、昂君のこと好きなんだぁ」


「だから?」


「付き合わない?あたしと付き合えば楽しいと思うなぁ」


「根拠はなんすか」


「根拠なんてないよ?」


この女、ばかだな。
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