初恋の君は俺を忘れてしまいました。
「う・・・こう!」


「あ・・・なに?」


「人の話聞いててよー。今日さ、沙菜と水樹も誘ってどっか行かない?って話!」


「別にいいんじゃね」


「やった!決定ね」


「おう」


「・・・昂はさ、中学一年から沙菜と仲いいんだよね?」


「・・・ああ」


「昂はさ・・・知らないの?沙菜の病院へ通う理由・・・」


「・・・知らない。沙菜も知られたくないんだと思う」


「そっか・・・。なら、しょうがないか」


千里も千里なりに沙菜のことを考えているのだろう。


沙菜は俺と出会う前から定期的に毎週病院へかよっている。


病院のことを聞いたとき、うまくごまかされたし、あんまり聞かれたくないことなんだろう。


「・・・」


―キーンコーンカーンコーンー


「やばっ走るよ!昂!」


「おう」


俺と千里は疑問を抱きながら教室への階段を駆け上がった。
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