初恋の君は俺を忘れてしまいました。
私は、また昂に視線を移し、昂を起こす。


「昂―。起きて。教室戻るよ?」


「・・・ん・・・あ、おい!大丈夫か?」


とても焦った顔で私に聞いた。


「全然大丈夫だよ。一応、いつもの病院で検査してくるから、今日は早退するね」


「わかった。一緒に教室へ行こう」


「うん」


私は一度保険の先生へお辞儀をし、保健室を出た。


昂は五秒に一回ほど私の方を見る。


「全然大丈夫だよ?」


「大丈夫じゃねーよ」


「心配性だなあ」


「そうさせたのはどこのどいつだっての」


「・・・すいません」


「お前、先に着替えて来い。荷物まとめとくから」


「・・・ありがと。お願いします」


「おう」


私は着替えが終わった後、一度教室に戻ることにした。


教室ではもう、授業が始まっていて、なんだか入りづらい空気だった。


その中で昂は、てきぱきと私の荷物をまとめてくれている。


私は後ろのドアからできるだけ音を立てずに教室へ入った。


それでも、みんなは私が入ったことに気づいたらしく、少しドアの音に反応したが、振り向く
ことなく、授業に集中した。
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