初恋の君は俺を忘れてしまいました。
「・・・沙菜さん。お母さん、忙しいみたいで・・・」


「大丈夫です。病院にもちゃんと担当のせ先生がいるので、母もその先生からまた後日話を聞くと思います。」


「そう。わかったわ。気を付けて行ってきてね」


「はい。失礼しました」


私は先生に一度お辞儀をして、ドアを閉めた。


学校から病院までは歩いて三十分くらいかかる。


いつもは運動のために歩いて行っていたけど、今日はバスで行こう。


学校出て、バス停でバスを待つ。


バスがきて乗ろうとしたとき、少し遠くにお婆さんがこっちに歩いてくるのが見えた。


(もしかして、このバスに乗りたいのかな?)


私は先に整理券を取って、

運転手さんに一言かけて、お婆ちゃんのところまで走った。

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