初恋の君は俺を忘れてしまいました。
沙菜が、親と向き合えた日・・・。


沙菜は俺の背中に手を回した。


でも、決して言葉にはしなかった。


それはなぜだろう。


言葉にできないほどの何かが沙菜にはあるのか?


あの時のおれは、それだけで、もう嬉しかった。


それだけでいい、そう思ってしまった。


あの日から沙菜は本当によく笑うようになった。


沙菜は吹っ切れたように一日一日を過ごしていた。


ときどき不安になる。


沙菜は、何を考えているかわからないときがあるから。


頼ってほしい。


沙菜のためなら、なんでもするのに。

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