イジワル上司に恋をして(ミルククラウン)【番外編】
な……なんだったの、今の……。
ドクドクと早鐘を打つ胸をぎゅうっと抑え、肩を上げて息をしながら思い出す。
夢、ゆめ、ユメ。
今のは夢だ。だから、こんなに動揺なんかしなくてもいい。
でも、どうしてこんな夢……あ。
『悪いな』
――今日、あんなことを言われたからだ……。
ピンポーン。
あまりにタイミング良くインターホンが鳴って、びくりと体を震わせてしまう。
瞬間的に掛け時計を見ると、午後11時半過ぎ。
11時って! わたし、どんだけ寝てたのよ!!
そんな自己突っ込みを交えながら、慌ててその場を立ち上がる。
こんな深夜に宅配便なんかじゃない。
隣人とも特に交流はないし、由美とも約束してない。
っていうか、由美なんて彼氏いるんだからイブ(こんな)日にウチになんてくるわけ――……。
さっきまでとは違う、泣きだしそうな思いからの緊張感に切り替わる。
しばらく様子を窺っていると、もう一度ピンポンと音が鳴って肩をあげる。
恐る恐る摺り足で玄関に近づき、一度深く深呼吸をした。
ゴクリと喉を鳴らしてドアスコープに顔を近づけていく途中、ふと過る。
そしてその頭を掠めたことが、ドアの前に立つ客人と一致すると、一気に頭が真っ白になった。
ガチャッ!と勢いよくドアを開けると、口が勝手に動いてた。
「なんでっ……!!」
見上げた先には寒そうに肩を上げて眉を寄せてる優哉。
わたしの質問に答える前にズイッと玄関に一歩踏み込まれ、自然を後ずさってしまう。
二歩目で完全に我が家に入ると、バタンとドアが勝手に閉じた。
時が止まったかのように、一向に動かないわたしを少し怒った眼差しで見下ろす優哉は、靴箱の上に荷物を置いて迫りくる。
ドクドクと早鐘を打つ胸をぎゅうっと抑え、肩を上げて息をしながら思い出す。
夢、ゆめ、ユメ。
今のは夢だ。だから、こんなに動揺なんかしなくてもいい。
でも、どうしてこんな夢……あ。
『悪いな』
――今日、あんなことを言われたからだ……。
ピンポーン。
あまりにタイミング良くインターホンが鳴って、びくりと体を震わせてしまう。
瞬間的に掛け時計を見ると、午後11時半過ぎ。
11時って! わたし、どんだけ寝てたのよ!!
そんな自己突っ込みを交えながら、慌ててその場を立ち上がる。
こんな深夜に宅配便なんかじゃない。
隣人とも特に交流はないし、由美とも約束してない。
っていうか、由美なんて彼氏いるんだからイブ(こんな)日にウチになんてくるわけ――……。
さっきまでとは違う、泣きだしそうな思いからの緊張感に切り替わる。
しばらく様子を窺っていると、もう一度ピンポンと音が鳴って肩をあげる。
恐る恐る摺り足で玄関に近づき、一度深く深呼吸をした。
ゴクリと喉を鳴らしてドアスコープに顔を近づけていく途中、ふと過る。
そしてその頭を掠めたことが、ドアの前に立つ客人と一致すると、一気に頭が真っ白になった。
ガチャッ!と勢いよくドアを開けると、口が勝手に動いてた。
「なんでっ……!!」
見上げた先には寒そうに肩を上げて眉を寄せてる優哉。
わたしの質問に答える前にズイッと玄関に一歩踏み込まれ、自然を後ずさってしまう。
二歩目で完全に我が家に入ると、バタンとドアが勝手に閉じた。
時が止まったかのように、一向に動かないわたしを少し怒った眼差しで見下ろす優哉は、靴箱の上に荷物を置いて迫りくる。