イジワル上司に恋をして(ミルククラウン)【番外編】
「……遅い! もっと早く開けろよ」
「だ、だだだだって……! こんな時間に来るなんて知らなかったし! 変な人かもって思ったんだもん!」
「……オマエが電話に出なかったんだろーが」
「で……ん……えっ、えぇ?!」
そこまで言われてハッとする。
……あ……! わたし、カバンの中に携帯入れっぱなし……しかもバイブのまんまで……さらに今起きたばっかりで確認してなかった……。
自分の失態のせいでもあることを理解したわたしは、バツが悪くなって肩を竦める。
そんなわたしの様子に当然気付いてる優哉は、靴を脱いでじりじりとわたしを威圧するように追い詰めてくる。
体は優哉に向けたまま、優哉が踏み込んでくる分だけ、わたしの足が後退していき……。
お互いの距離は一定のままだったけど、とうとうソファまで詰め寄られた。わたしは重心を崩してソファに勢いよく座り込んでしまった。
「……!」
バランスを失ったまま、慌ててるわたしはすぐに態勢を立て直すことが出来なかった。
そんなわたしを涼しい目で見下ろした優哉は、片膝をソファに乗せると、長い腕をソファの背もたれに伸ばした。
まるで、わたしを逃さないって閉じ込めるように。
パニクってるって知ってるくせに……!!
バクバク破裂しそうな心臓と、硬直して変な顔になってるはずのわたし。
それを承知の上で、優哉は平然とわたしの顔に近づいて――。
「寒い。早くあっためろよ」
「あっため……って、――んッ!!」
吐息が掛かる距離で命を下すように言われると、わたしの返事を当然待つことなくS男は覆いかぶさるように乱暴に唇を塞いできた。
左右、角度を変えながら、ずるずるとわたしはソファに仰向けになっていく。
顔の横でスプリングが僅かに軋むのを感じる。
優哉が手をついて体を支えてるのが目を瞑っていてもわかった。
ゆっくりと唇が離れていってから、同じようにゆっくりと目を開ける。
思いの外まだ近いところに顔があったことにびっくりしながらも、顔を背けずに優哉と目を合わせた。
「だ、だだだだって……! こんな時間に来るなんて知らなかったし! 変な人かもって思ったんだもん!」
「……オマエが電話に出なかったんだろーが」
「で……ん……えっ、えぇ?!」
そこまで言われてハッとする。
……あ……! わたし、カバンの中に携帯入れっぱなし……しかもバイブのまんまで……さらに今起きたばっかりで確認してなかった……。
自分の失態のせいでもあることを理解したわたしは、バツが悪くなって肩を竦める。
そんなわたしの様子に当然気付いてる優哉は、靴を脱いでじりじりとわたしを威圧するように追い詰めてくる。
体は優哉に向けたまま、優哉が踏み込んでくる分だけ、わたしの足が後退していき……。
お互いの距離は一定のままだったけど、とうとうソファまで詰め寄られた。わたしは重心を崩してソファに勢いよく座り込んでしまった。
「……!」
バランスを失ったまま、慌ててるわたしはすぐに態勢を立て直すことが出来なかった。
そんなわたしを涼しい目で見下ろした優哉は、片膝をソファに乗せると、長い腕をソファの背もたれに伸ばした。
まるで、わたしを逃さないって閉じ込めるように。
パニクってるって知ってるくせに……!!
バクバク破裂しそうな心臓と、硬直して変な顔になってるはずのわたし。
それを承知の上で、優哉は平然とわたしの顔に近づいて――。
「寒い。早くあっためろよ」
「あっため……って、――んッ!!」
吐息が掛かる距離で命を下すように言われると、わたしの返事を当然待つことなくS男は覆いかぶさるように乱暴に唇を塞いできた。
左右、角度を変えながら、ずるずるとわたしはソファに仰向けになっていく。
顔の横でスプリングが僅かに軋むのを感じる。
優哉が手をついて体を支えてるのが目を瞑っていてもわかった。
ゆっくりと唇が離れていってから、同じようにゆっくりと目を開ける。
思いの外まだ近いところに顔があったことにびっくりしながらも、顔を背けずに優哉と目を合わせた。