イジワル上司に恋をして(ミルククラウン)【番外編】
目を丸くさせたあと、覚悟を決めたように口を震わせながら言い掛ける。


「――くろ、かわ……」


……すげぇ焦らし上手だな、コイツ。


力が抜けたオレを、窺うように見つめるなの花に、なにかしてやろうと企てる。

バツが悪そうな顔のなの花を鋭い視線で刺してやる。
すると、目に見えてわかるくらいに、ドキリとしたなの花が背筋を伸ばす。


「いい。早くそれ食えよ」
「えっ……あ……」
「ココ出たら、なの花の淹れたコーヒーをゆっくり堪能させて貰う。……オレんちでな」
「!!!」


なの花は声にならないほどの驚き、口をぱくぱくとさせている。


「努力する」なんて前に言ったけど、優しく出来るかどうかなんてわかんない。


だって、理性を吹っ飛ばすのはそっちなんだから、せいぜい覚悟しとけよ。






*おわり*
< 6 / 16 >

この作品をシェア

pagetop