それでも愛してる。




学校は居心地のよい場所ではなかった。


誰かが言ってた「学校は青春の塊」だと。

嘘つきは泥棒の始まりだと思った。


学校は楽しいって
友達は100人作りましょう。


そんなのは無理だ。


友達なんて肩書きでしかなくて
名前が大事で中身は空っぽだ。


誰かの悪口を言わなきゃ会話がないのかって
くらいみんなは誰かを
標的にして笑っている。


みんなが平等に笑えるなんて
不可能なんだ。


「おはよう」

「おはよ!!」


その一言ですら私には交わす相手が
決まっている。


学校では先生くらいしか
いないだろう。


「ったく愛菜歩くの早いよ」


チラリ振り返ると太陽が
また笑っている。


「はい、おいついた」


そう私のカバンにタッチした。



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