それでも愛してる。





「何で愛菜が…。」


太陽は私を見て頭をおさえた。
厄介者なのか…私は。


ドアを背に立つ私。

ドアに手をつき頭を抱える太陽。


その距離は30cmくらいー…。


何を言ったらいいかわからない。
だからどうしていいかもわからない。


だからー…。


「太陽?」


ゆっくり顔を上げた太陽
その頬に両手を添える。


そして何も言わずに


太陽の唇に自分の唇を重ねた。



さよならなんて言わないで。



あんな冷たいキスなんかしないで。



ゆっくりと閉じた目には
真っ暗だけど映像が流れてる。



楽しい事じゃない。
辛くて悲しい事ばかり。



でもいいんだ。



今この時があったかくて
嬉しい事だから。




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