それでも愛してる。




「ねぇ太陽。
少しだけ私の話を聞いて。」


太陽の襟を引っ張り
私の背丈では太陽の胸までしか
顔は届かないけど


胸に頭をぶつけた。


ドクンー…ドクンと
太陽の心臓の音がする。


ああ、そうか。


太陽も同じなんだ…。


「私、好きって何かわからなかった。
それに太陽に好きな人が離れて行くって
どうゆう気持ちかわかるかって
聞かれた時

正直全然わからなかった。

だから太陽の気持ちも想いも
何もわからなかった。

ごめんー…。」


黙っている太陽の心臓の音が
だんだん穏やかになっていく。


「でも、わかったんだよね。」


そう言って襟から手を離し
太陽の胸に手を当てた。


「太陽を想うとココが痛い。
太陽がいないとココが泣いてる。

太陽が笑うとココがあったかくなる。
太陽といるとココがー…。」


太陽の顔を見る。


ずっと黙って聞いててくれてありがとう。
伝わったかわからない。


でも、私はここまであなたを追ってきてまで
聞いて欲しい事があったの。


これが1番大切。


これが1番伝えたかった。





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