それでも愛してる。
✩最終章・1✩
届け ー愛菜ー
「愛菜?」
やっと口を開いた。
沈黙が辛かったぞ…。
「何?」
少し離れて
お互いの顔が見える位置に来ると
太陽は頭を下げた。
「ごめん。愛菜。
俺こそわかってなかった。」
そうしてまた頭を上げる。
「それと、まだ今すぐに
愛子の事を忘れて愛菜と付き合うなんて
出来ない。」
振られてしまった。
「でもさ、俺ー…。
愛菜の事もっと知りたい。
もっと一緒にいたい。
やっぱりこれじゃダメかな?」
そうやってやっと笑顔を見せてくれた。
「たく、もう勝手にどっか行くんじゃないよ。
まぁ、どこまでだって探しに
行ってあげるんだからいいけど…。」
恥ずかしくなり
語尾は消えたけど太陽は
ちゃんと聞いててくれた。