それでも愛してる。





「さよなら。」


おじさんと別れて歩き出す。


「あの人、俺が10歳の時から
良くしてくれててね。
あの人も鈴野ってゆうんだ。

何か偶然だね。」


そう太陽は笑う。


鈴野ー…。


私は振り返る。
でも、そこにはもうおじさんの姿はない。


気のせいー…。
私は微笑んだ。


ありがとう。


「川田も来てるんだ。
そこら辺で待っていると思う。」


もうお昼近い。


「龍人!!」


太陽はそう言って手を振る。


「太陽…。」


2人は走り抱き合った。


男の友情とは何とも
言葉にできない。


「ありがとう。愛菜を連れて来てくれて。」


「俺が来てくれてありがとうじゃ
ねーところがまたいいな。」


その会話は私には聞こえなかったけれど
あえて何も言わずに私は空を見た。


「見て…!!」




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