それでも愛してる。




なんなんだろう。
いったい彼は何がしたいのだろう。


「勝手に触らないで。
あと、明日からは私の前を歩いて」


冷たいな、私。


「愛菜、怒ってるの?」


困った顔をする太陽を見て
私は黙って玄関へ入った。


そんな顔…。
されたらこっちが困る。


靴箱を開けると
何枚か手紙が落ちてきた。


その1つを拾い上げて
開いてみる。


【太陽に近づくなよ根暗】


その他のものも読んでみるけれど
ほとんど太陽の事だった。


「別に私が近づいているわけじゃ
ないんだけど」


その紙をポケットにしまい
靴を履き替える。


もう慣れてしまったから
全然気にならないし
むしろ毎日毎日こんな事して
お疲れ様とすら思っている。




< 11 / 115 >

この作品をシェア

pagetop