それでも愛してる。
なんなんだろう。
いったい彼は何がしたいのだろう。
「勝手に触らないで。
あと、明日からは私の前を歩いて」
冷たいな、私。
「愛菜、怒ってるの?」
困った顔をする太陽を見て
私は黙って玄関へ入った。
そんな顔…。
されたらこっちが困る。
靴箱を開けると
何枚か手紙が落ちてきた。
その1つを拾い上げて
開いてみる。
【太陽に近づくなよ根暗】
その他のものも読んでみるけれど
ほとんど太陽の事だった。
「別に私が近づいているわけじゃ
ないんだけど」
その紙をポケットにしまい
靴を履き替える。
もう慣れてしまったから
全然気にならないし
むしろ毎日毎日こんな事して
お疲れ様とすら思っている。