それでも愛してる。
疎まれ、憎まれ ー愛菜ー
「じゃあ1914年に起こった出来事を答えろ」
世界史の時間。
私は顔を横に向け頬杖をついて
空を眺める。
出来るだけ右隣の顔を見ないように
するためだ。
「ねぇ愛菜知ってる?
1914年の第一次世界大戦の覚え方。
あれね、【行く人死んだ】って覚えるんだよ?」
聞いてもいないのに
そんな語呂合わせを教えるのは
と、言うかこの学校で
私に話しかけてくるのは
1人しかいなかった。
「うるさい。話しかけんな。」
太陽は頬をふくらませて
机にべたりと伏せた。
「なんで愛菜そんなに冷たいの」
横目で私を見る太陽に
本気でイライラした。
多分これは八つ当たりなんだ。