それでも愛してる。




「嫌な事あった時って
抱え込んでるとなんか小さい事でも
さらに嫌になる時ってない?」


私はただ太陽のその姿を見て
その話に耳を傾ける。


「そんな時はさ高い場所に来て
うーんっと高く手を伸ばして
太陽にかざすの。


そうしたら太陽が強くなる力をくれるんだ。
あったかくて眩しくて
大きな太陽から
小さな俺の手にちょっとずつ力が
与えられるんだ。」


びっくりした。
太陽がこんな事言うなんて
思っていなかったから。


「愛菜もやってみなよ」


そう言って私の手を掴み
自分の手と一緒に空へと向けた。


「あったかい…。」


太陽のその熱が手のひらから
ちゃんと伝わってきた。




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