それでも愛してる。
本当は何をしに
愛子さんの職場まで
来たのかも今はまったくわからない。
「さ、帰ろっか」
いつもと変わらない愛子さんを
見ていると何を聞いていいものなのか
実際のところ
何もわからない。
妊娠検査薬なんてなんで使ったの?
なんて私には関係ないこと。
愛子さん23歳だし
私なんかよりもずっと大人なんだし。
私が心配する事じゃないのかもしれない。
図々しいのかもしれない。
愛子さんの車に乗り
私達の住むマンションへと帰った。
とくに愛子さんとの会話はなかった。
「さぁ、帰ってご飯食べようか」
エレベーターのスイッチを押す。
微笑んだ愛子さんに
私は笑い返せなかったー…。