それでも愛してる。





「太陽知らないでしょ。
愛子さん妊娠してるかもよ。」


言うつもりはなかった。
でもー…。


「え?」


「妊娠検査薬が部屋にあった。
中身はなかったけど。」


太陽の顔がどんどん変わるのがわかった。


「諦めなよ。」


私はそう言って部屋に戻った。


しばらくなんも音がしなくなった。
でも、その後ガチャンと
ドアが締まる音がした。


太陽帰ったんだ。


ベッドに横になり
私はマロンを抱きしめた。


人を愛するなんて
自分が傷つくだけでしょ。


永遠なんてどこにもないんだから。


私のお母さんとお父さんみたく
きっとすぐに壊れてしまうわ…。




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