それでも愛してる。
「あ、愛子さん…。」
どうぞと私はドアを押さえて
彼を中に入れた。
「お邪魔します。」
とても礼儀よくて
近くで見ると本当に背が大きい。
「龍人!?」
愛子さんは彼をみるなり立ち上がり
驚いた顔でそう言った。
「よっ」
手を軽くあげたその人は
私に向かい直してニコリ笑った。
「初めまして。愛子さんの上司で
愛子さんの彼氏の大原龍人です。」
しっかりした彼は頭を軽く下げた。
「は、初めましてー…。
鈴野愛菜…です。」
彼より深く頭を下げた。