それでも愛してる。
私は立ち上がり教室を出た。
同じ時に出てきたのに
太陽が来ない。
どこだろう。
と。
「太陽今日どうしたんだろうな?」
「なんか黙って行っちまったけどさ
失恋でもしたのかね。」
「あの太陽が?まっさか~!!」
その男子の会話を聞き
思い出したのはー…。
私は方向転換し
階段をのぼった。
「太陽!!?」
ガチャっと開けたドアから
私は叫んだ。
ゆっくりと前に進む。
「太陽…。」
私の視線の先には
手を上げて目をつぶる太陽の姿。
いつか私に教えてくれた
あのおまじない…。
「愛菜…。太陽はもう俺に
力はくれないらしい…。」
雨とは違う水が太陽の頬を伝う。
「そうだよね…。俺最低だし
太陽も同じ名前で嫌になっちゃったんだ。」
微笑する太陽はまるで
抜け殻のようだった。
そんな姿を見て
なんと声をかけていいのかわからない。