それでも愛してる。
「愛子結婚して引っ越すんだってね?」
ドクンっと胸が1度高鳴る。
「昨日夜エレベーターで会った。」
きっと龍人さんを送った時だ。
「うん。」
何を言ったらいいのだろうか。
何を言わない方がいいのか。
私にはわからない。
「俺さ、愛子がずっと好きだった。
高校生になって引っ越した先で
1番に優しくしてくれたのが
愛子だったんだよ。
あの笑顔がずっと好きだったー…。」
太陽はそう言って下を向く。
「そうだったんだ。」
「会うたび挨拶してくれたり
最近学校どうなの?とか
愛菜とも仲良くしてくれてありがとうって。
最初は本当に愛菜と喋りたかった
だけだったんだ。
でもだんだん愛子に愛菜の話するために
ってなってきちゃってさ。」