それでも愛してる。
「んじゃあたし仕事行くから
マロンのご飯あげてから学校行ってね」
「うん、行ってらっしゃい」
玄関まで見送って
言われたとおりマロンのお皿に
ドッグフードを入れた。
と。
マロンが小さな足で
部屋から出てきた。
「起きたの、マロン。
ご飯食べる?」
お皿を差し出すと
クンクンと匂いをかいで
すぐに食べ始めた。
「よしよし、いい子だね」
背中を撫でるとふわふわしてて
とても気持ちがいい。
「嫌だけど学校行ってくるね」
カバンを肩にかけ靴を履いた。
ガチャっとドアを開ける。
5階建のマンションの3階の1番端の部屋。
エレベーターはすぐそこだ。
下へ行くスイッチを押す。
すぐに扉は開いた。
乗り込んで【閉】を押したと同時に
「待って!!」
その声を聞き慌てて【開】のボタンを押した。