それでも愛してる。
閉じそうになったドアは
ガタンと音を立てて開いた。
「ごめん!!ありがと」
ドアに手をかけて
ハァハァと息を切らしているのは
向かいの部屋に住んでいる
同じクラスの工藤太陽。
「おはよう愛菜」
何がそんなに面白いのか
太陽はへらり笑った。
「おはよ」
エレベーターのドアを閉じ
私は真顔でそういった。
「あらら…。」
相変わらずだねってまた笑う太陽を
少しだけ睨みつけ視線を落とす。
すぐにエレベーターは止まり
私はそれと同時に歩き出す。