それでも愛してる。

闇に落ちた光 ー愛菜ー





マンションについたのは


私が学校に行くと言って
出てってから2時間も経っていない
9時5分の事。


エレベーターに乗り
私はいつもと反対側の廊下を歩く。


インターホンが壊れているため
私はドアを叩いた。


トントン。
トントン。


反応はなかった。


「太陽。いるの?」


今度は名前を呼んだりしてみる。


トントン。
トントン。


何度叩いただろうか。

手がとても痛い。


と。


ガチャ。


鍵の開く音がした。


「太陽!?」


確実に鍵は開いたはずなのに
ドアは開けてくれなかった。


でも、中にいるんだ。


私は悪いと思いつつ
ドアノブに手を掛ける。


これは不法侵入なのだろうか…。


「お邪魔します。」


私は勝手に玄関で靴を脱いだ。


部屋は何やら荒れていて
その辺にはいろいろ物が散乱していた。


「太陽?」


リビングのソファーに
座っている太陽の姿が見えた。


前に回り込んで見ると
疲れたような顔をしている。


元気がないのは一目瞭然だ。


「太陽どうしたの?」


太陽の目の前にしゃがみ聞いたが
反応はない。


これはまずい。
来たけれどなんと声をかけて
いいものか…。


「どうして学校来ないの?」


それも無視。


こんなの太陽じゃないよ。




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