それでも愛してる。




「おい!!」


急に手を引っ張られバランスを崩す。


キーっとブレイキ音がしてから
やっと信号が赤だとゆう事に気づいた。


「大丈夫?」


心臓がバクバクと音を立てている。


「気をつけろ!!」


怒鳴られてしまった。


「すみません」


なぜか太陽が頭を下げて謝る。


掴まれた自分の手を見る。


大きな手が重なっていた。


「離せ…。」


私は太陽の手を振り解き
今度はちゃんと信号を確認して
歩き出す。


「ちょ、愛菜…。」


お礼…言い損ねてしまった。
そう思ったけど
振り向く事の出来なかった私は
結局学校まで太陽を無視し続けた。



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