それでも愛してる。
君の元へ ー愛菜ー
駐輪場に川田はいた。
自転車を降りて私の元へと来る。
「ずっと前、太陽から聞いた事あって
海が見える小さな町に住んでた時が
1番楽しかったって。
いろいろ考えたけど
多分そこだと思うんだ。」
そう言った川田に
ありがとうと伝えた。
そして私達は切符を買った。
「多分もう少しで来るよ。」
改札を通り
ホームのベンチに座る。
太陽は1人何を考えていたのだろうか。
“まもなく7番線に列車が到着いたします。”
そのアナウンスを聞き
私達は立ち上がる。
「◯◯◯って駅。多分けっこうかかるよ。」
結構人はいたけれど
全員座れる程度で
ガタンガタンと揺れて
電車が発車した。