不機嫌な君
「じゃあ、私が聞く」
私の答えを待ってましたと言わんばかりに言い放った。

「や!やめて下さい!それは勘弁して下さい」
全力で阻止した。

「別にいいじゃない。気になったから聞いたって言えばひとみちゃんに被害は行かないし」

そう言って満面の笑み。
…どう見ても、葉月さんは、面白がってる。私は疑いの目で葉月さんを見る。

「葉月さん」
「…ん?」

「私をオモチャと勘違いしてませんか?絶対面白がってますよね」

「…わかった?」
えへへって…葉月さん、貴女は、悪女です。

「…もぅいいです」
私は不貞腐れて仕事に戻った。

「面白がってるけど、1番心配してるのも、私なんだけどな?」
その言葉にパソコンの手が止まる。

「ひとみちゃんが幸せになって欲しいって、1番願ってるのも、私なんだけどな?」

「…葉月さん」
「…どうしても、まだ聞かないで欲しいと思うなら、もう少し待つけど」
そう言った葉月さんは、優しく微笑んだ。

「…葉月さん、大好き!」
私は思わず葉月さんに抱きついた。

「…そこ、仕事中だぞ!気持ち悪い!何やってる?!」

…すかさず、金崎部長の檄が飛んだ。

…誰のせいだと思ってるのよ?
と、つい、金崎部長を睨んでしまった。

もちろん、金崎部長は眉をひそめた。
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