不機嫌な君
…結局、もう少し様子を見ると言うことで話しはすんだ。

でも、相変わらず金崎部長を避けたままで週末まで過ごした。

そのせいなのかどうかは分からないが、週末まで、金崎部長の機嫌が益々悪くなったと、周りの人たちが口々に言っていたが、私は知らん顔で過ごした。

…日曜日。
朝9時に起床した私は、何もせずに、ぼんやり過ごしていた。

そんな中、突然鳴り出した携帯。
着信相手見て、ハッとする。…悠斗さんからだ。

「…もしもし」
『今日の約束覚えてた?』

「…」
忘れてました。とは、言えないよね。
違う人の事ばかり考えてたなんて…

『会社近くの⚫︎⚫︎喫茶店でまってるから』
「あの、ちょっと今日は…」

『来るまで待ってるから』
「あの!!」

…、切られてしまった。

行く必要はない。…だって、私は行くなんて一言も言ってないんだから。

…でも、あんなこと言われたら、行かないわけにはいない。

…行こうか。
…行って、ちゃんと断ろう。
自分の気持をちゃんと言って、わかってもらおう。

私は、思い腰を上げ、身支度をすませると、待ち合わせ場所に急いだ。
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