不機嫌な君
相当重症だと思った葉月さんは、帰れと言う。でも、私は無表情に大丈夫だと答え、仕事を始めた。

…葉月さんは溜息をつき、仕事を始めるも、私が気になって仕方が無い様子。

私はただ黙々と仕事をこなした。
…金崎部長に呼ばれ、仕事を頼まれても、無表情のままそれを受けた。

「…体調悪いなら帰れ」
眉間にしわをよせ、金崎部長が言う。

「どこもなんともありません。大丈夫です」
「ふざけんな!!」
今までで、1番大きな怒鳴り声が、オフィス内に響いた。

…シーンと、静まり返るオフィス。

「…ちょっと来い!」
「…⁈」
私の手を乱暴に掴むと、オフィスから出て行く金崎部長。

「ぶ、部長!ひとみちゃんをどうするんですか⁈」
すかさず助け舟を出したのは葉月さん。

「うるさい!黙ってろ」
「…」
凄い剣幕に、葉月さんはそれ以上何も言い返せず、オロオロしながら私達を見ていた。
< 47 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop