不機嫌な君
「…他には?」
「・・・え?」

「お前は俺の事どう思ってる?」
「…私は」

一度上げた顔を、また俯かせ、口ごもった。
私は、金崎部長の事どう思ってる?

「・・・?!」
そんな私の顎を持ち上げ、私の顔を見つめる金崎部長。私の鼓動は異常なほど早くなる。

「俺の事で悩むお前は、俺の事をどう思ってる?」

「…好きです…腹立つくらい!…好きです…何も考えられなくなる程」
その言葉に金崎部長は微笑んだ。

「やっと聞けたお前に気持ち」
その言葉の後、金崎部長は、私にそっとキスをした。

優しく触れるだけのキスをしたかと思うと、次の瞬間には激しいキスに変わり、私はそれを必死に受け止める事だけしかできなくて・・・

息も絶え絶えに、そのキスを体中で感じた。

「島谷!・・・」
そのまま、私は気を失ってしまった。

…昨晩一睡もしていなかったのだ。一気に体中の力が抜けると同時に、心も解放された気がした。

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・。


・・・ところで、金崎部長は、私の事、どう思ってんの??!

パチッと目が開き、私は勢いよく起き上がった。
でも、目の前がふらつき、倒れそうになる・・・が。

それを誰かが支えてくれた。

「急に起きるからよ」
そう言って困ったように笑ったのは…葉月さんだった。

…ここは医務室。
私は夕方まで、爆睡していたそうです・・・。
葉月さんは、私の身元引受人・・・面目ない。
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