不機嫌な君
…この空気に耐えられる気がしない。
私の向かいでは、葉月さんがソワソワしながらランチを食べている。時々、金崎部長を睨んだり、私をじーっと見つめたり。

そんな私の横で、黙々とランチを食べながら、時々私の方をチラッと見て、またランチを食べている。

…なんなんだ、この2人は。

「…金崎部長、違う席でランチはたべないんですか?っていうか、他で食べてください」

「…俺が隣にいるのが、嫌なのか?」
…と、真顔で聞かれ、必死に首を振ってみせた。…嫌なわけがない。仮にも相思相愛、恋人なのだから。

「…金崎部長、ひとみちゃんと話しがしたいんですけど」
そう訴えるのは、勿論葉月さん。

「…こいつの横以外、ウケツケない」
そう言って、私を見た金崎部長。
…私は、ポッと頬を染めた。

「…え?…え?…もしかして、2人は⁈」
そう言って私と金崎部長を交互に見た葉月さん。

「…葉月さんの思った通り、そう言う関係になりました」

ポツリと呟けば、葉月さんは、嬉しそうに微笑んだ。
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