不機嫌な君
「…そう、そうなんだ。…良かったね、ひとみちゃん。お姉さん、嬉しい」

「…いつから、お姉さんになったんですか?」
そう言って苦笑いすると。葉月さんは、プクッと頬を膨らませた。

「…私をお姉さんみたいに、慕ってるって言ったのは、ひとみちゃんじゃない!」
「…そうでしたっけ?」
私の言葉に何度も頷いている。

「…このことは、広めるなよ」
そう言ったのは、金崎部長。

「わかってますよ。社内恋愛は、秘密第一ですからね…私達だって、ここまで来るのに、どれだけ苦労したか…
結婚が決まって、やっとみんなに言えたんですから…」

「…そうか、その手があったな」
「「…はい??」」

一人納得したようにそう呟いて、席を立った金崎部長。私と葉月さんは首を傾げた。

「…あ!!右近!こんなとこにいた!」

…。
私と葉月さんは、目の前の光景に、唖然とした。

…、誰?この、超綺麗な女は?

…なんで、金崎部長に抱きついてるの?
…なんで、金崎部長は、ごく自然に、それを受け入れてるの?
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