不機嫌な君
…暑い。…今は肌寒い季節のはずなのに。暑さに目を覚ました私は、眉間にしわを寄せた。
…本当なら、大好きな人と一夜を共にして、熱い夜を過ごした次の日の朝は、幸せに包まれて目が覚めるはずなのに。今の私は幸せとは真逆な所にいた。
ガバッと布団から起き上がり、私の横で眠る金崎部長のおでこに手を当てた。
「・・・金崎部長、凄い熱ですよ」
私の言葉に、気怠そうに目を覚ました金崎部長は、私を見て、だるいくせに、悪態をついた。
「…全裸、丸見えだぞ」
「・・・へ?・・・ギャ~!」
私は自分の姿が全裸だと言う事をすっかり忘れていた。昨夜、そう言う事をして、そのまま眠ったのだから、全裸でもおかしくない。
私は布団の中に潜り込み、手だけで下着を探し当て、布団の中でガサゴソと、服を着た。
そして再び、起き上がり、もう一度同じことを言った。
「部長、熱ありますよ」
「…言われなくても分かってる」
「・・・もぅ、可愛くない事ばかり言わないでください。心配してるのに」
そう言ってふて腐れると、金崎部長はフッと笑い、熱い手で、私の頬に触れた。
「心配するな、これくらい大したことはない。仕事に行けるから」
「ふざけないでください。…はい、ちゃんと熱測ってください」
体温計を取り出し、金崎部長に差し出す。・・・39度。重症だ。
「…これじゃあ、仕事どころか、自宅に帰るのも無理ですね」
そう言って溜息をつく。
「…大丈夫だって」
と言いながら起き上がった金崎部長だったが、ふらつき、私は咄嗟にそれを支えた。
「…全然大丈夫じゃないじゃないですか?!…ここに寝ててください。薬とおかゆ、用意しますから・・・
それから、仕事早引けしてきますから、病院に行きましょう」
「…病院は嫌いだ」
「?!!」
子供みたいな事を言う部長に一瞬驚き、次の瞬間には、フフッと、笑いが込み上げた。
「私が付いてるから、大丈夫ですよ」
そう言って立ち上がろうとするが、金崎部長はそれを止めた。
「…傍にいろ」
・・・こんな時まで、命令口調。
でもなんだか、腹は立たない。・・・甘えたいのかなと思うと、むしろ嬉しい。
…本当なら、大好きな人と一夜を共にして、熱い夜を過ごした次の日の朝は、幸せに包まれて目が覚めるはずなのに。今の私は幸せとは真逆な所にいた。
ガバッと布団から起き上がり、私の横で眠る金崎部長のおでこに手を当てた。
「・・・金崎部長、凄い熱ですよ」
私の言葉に、気怠そうに目を覚ました金崎部長は、私を見て、だるいくせに、悪態をついた。
「…全裸、丸見えだぞ」
「・・・へ?・・・ギャ~!」
私は自分の姿が全裸だと言う事をすっかり忘れていた。昨夜、そう言う事をして、そのまま眠ったのだから、全裸でもおかしくない。
私は布団の中に潜り込み、手だけで下着を探し当て、布団の中でガサゴソと、服を着た。
そして再び、起き上がり、もう一度同じことを言った。
「部長、熱ありますよ」
「…言われなくても分かってる」
「・・・もぅ、可愛くない事ばかり言わないでください。心配してるのに」
そう言ってふて腐れると、金崎部長はフッと笑い、熱い手で、私の頬に触れた。
「心配するな、これくらい大したことはない。仕事に行けるから」
「ふざけないでください。…はい、ちゃんと熱測ってください」
体温計を取り出し、金崎部長に差し出す。・・・39度。重症だ。
「…これじゃあ、仕事どころか、自宅に帰るのも無理ですね」
そう言って溜息をつく。
「…大丈夫だって」
と言いながら起き上がった金崎部長だったが、ふらつき、私は咄嗟にそれを支えた。
「…全然大丈夫じゃないじゃないですか?!…ここに寝ててください。薬とおかゆ、用意しますから・・・
それから、仕事早引けしてきますから、病院に行きましょう」
「…病院は嫌いだ」
「?!!」
子供みたいな事を言う部長に一瞬驚き、次の瞬間には、フフッと、笑いが込み上げた。
「私が付いてるから、大丈夫ですよ」
そう言って立ち上がろうとするが、金崎部長はそれを止めた。
「…傍にいろ」
・・・こんな時まで、命令口調。
でもなんだか、腹は立たない。・・・甘えたいのかなと思うと、むしろ嬉しい。