不機嫌な君
「…いなかったわよ」
眉間にしわをよせたまま、優姫が言う。
…私は顔にでないように、もう一度同じ答えを言う。
「…そうなんですか?…神坂さん、ところで、なんで私に金崎部長の居場所を聞くんですか?私はただの部下なんですから、プライベートな事まで知りませんよ」
「…その指輪よ」
「…へ?」
指差された所に視線を落とすと、金崎部長に貰った婚約指輪があった。
「…昨日、たまたま見たのよ。…有名なジュエリーブランドの店で、幸せそうな顔をして、その指輪を選んでる右近を」
その言葉に目を見開く。…金崎部長が幸せそうな顔をして?これを選んでた?
…凄く嬉しい反面、目の前にいる優姫を不憫に思ってしまう。
「…貴女が右近の好きな人でしょう?」
「…」
その言葉に返事は出来ない。
「お願い…右近の居場所を教えて?…私には、右近しかいないの…私に右近を返して…右近がいなくなったら、私、生きていけない」
そう言って泣き出してしまった。
…どうすればいいのか、わからなくなってきた。
眉間にしわをよせたまま、優姫が言う。
…私は顔にでないように、もう一度同じ答えを言う。
「…そうなんですか?…神坂さん、ところで、なんで私に金崎部長の居場所を聞くんですか?私はただの部下なんですから、プライベートな事まで知りませんよ」
「…その指輪よ」
「…へ?」
指差された所に視線を落とすと、金崎部長に貰った婚約指輪があった。
「…昨日、たまたま見たのよ。…有名なジュエリーブランドの店で、幸せそうな顔をして、その指輪を選んでる右近を」
その言葉に目を見開く。…金崎部長が幸せそうな顔をして?これを選んでた?
…凄く嬉しい反面、目の前にいる優姫を不憫に思ってしまう。
「…貴女が右近の好きな人でしょう?」
「…」
その言葉に返事は出来ない。
「お願い…右近の居場所を教えて?…私には、右近しかいないの…私に右近を返して…右近がいなくなったら、私、生きていけない」
そう言って泣き出してしまった。
…どうすればいいのか、わからなくなってきた。