幼馴染みってズルいよね【BL/mw】
「──で、ハルは彼女とうまくいってんの?」
「……一応は、ね。でも、ヒサギちゃんより大事に想えなくて。彼女に申し訳なくなって、いつも長続き出来ないんだ」
「そんなの当たり前じゃない。アンタ二股掛けてる様なものなんだし」
「シズってば厳しいな〜」
「当たり前よ。情けないったらありゃしない」
「シズの言う通りなんだよなぁ……」
呟いて頭を抱えるハルキに、アルゼフは好奇心から話題を進める。
「なぁ、ハルに彼女出来るのはなんか分かるけど、ヒサギちゃんてどうしてんの? ヒサギちゃんからグイグイ行くのって想像出来ないんだけど」
「ヒサギちゃんには、しつこく世話するヤツが居るんだよ」
思い出して腹が立つのか、ハルキは、だん、とテーブルを叩いた。
ガチャンと鳴る食器の高音が、店内に響く。
「サユコとルウ、わかるよね」
「ヒサギちゃんの幼馴染みだろ?」
「あの2人の友達に合コン好きな女の子がいて、その子がヒサギちゃんを気に入ってるんだよ」
「新たなライバルなのかしら」
「いや、どっちかっていうと面白がってる方。サユコとルウは多少ヒサギちゃんの為にって思ってるみたいだけどね。それで、その子から良く連絡が来て、断り切れない時に合コン行ったり、紹介されてフリーだから取り敢えず付き合う事になったりしてるんだよ」
「ヒサギちゃんて結構カルいんだな」
「押しに弱いと言って!」
想い人の不名誉は許さないとばかりに、ハルキは声を上げた。
そしてそのまま、最初と同じく……否、それより深く溜息を吐いて頬杖を突く。