Destiny
正しかった再会
――ユーカside

今の教室はなんとも言えない空気
それは、ユーキが人を殴ったから

私はユーキを追いかけようとする

「やめとけ」

でも、小笠原先輩に止められた

「あんな風になるとユーキは誰ということも聞かなくなる、お前が危ないだけだ」

船津先輩にまで止められてしまった

「……でも!村田先輩から殴った理由聞かないと」

ミヤビが船津先輩を説得しようとする

「俺だって!気になるよ、でもな!今のアイツは本当に人を傷つけてしまう!人が傷つくところなんて見たくないんだよ!」

船津先輩が声を荒らげた
ミヤビは黙ってしまった

「でもさ、お兄ちゃん!」

セイラも小笠原先輩を説得しようとする

「後でちゃんと、理由は聞くから落ち着くまで待ってあげなよ」


船津先輩のように声を荒げるようなことはしなかったが
その、有無を言わさないような言葉に
セイラまで黙り込んでしまった

それでも私は教室から出ようとした

「お前!今の話聞いてなかったのか!?」

船津先輩が言う

「聞いてましたよ?でも、それって怒って手を出した時の話ですよね?」

「そうだよ、だから今は危ないって」

今きっと、ユーキは怒ってなんかいない

「はい、ユーキは今落ち着いてる状態だと思います!」

そう言って教室から飛び出てきた
< 22 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop