インナーチルドレン(かわいい金魚番外編)

痛い、現実

この男の子に連れてこられた子供の全てが、笑顔になれたわけじゃない。

頑なに、子供の存在を否定する者もいた。

自分がつらい思いをしているということさえ、自覚できない大人たち。


そんな大人たちは、目の前で自分のインナーチャイルドが泣いていることも、感じられない。

そして子供は、泣いたまま、純の前から消えていった。



消えていく子供を見るたびに、純は、もどかしく、切ない思いをする。

自分には、何もできない。

何でこんな無力な自分に、こんな能力があるんだろう。
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