インナーチルドレン(かわいい金魚番外編)
純は、子供達を見て、小さく頷いた。



わかっているって。


俺だって、おまえたちの笑顔が見たいしな。



純は、スケッチブックを拡げた。



少女は、必死に泣くのをこらえて、純を見ている。
悔しそうな、悲しそうな目で。



それでも、まだ何かを信じたがっている目だ。



だからこそ、こいつもこの子を、俺の所に連れてきたんだろうけどな。


鉛筆で、スケッチブックに、少女の表情を描き写す。



そうして、スケッチブックから外したその絵を、目の前の女性に、差し出した。


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