Real~ある一人の少女の話~
私と真莉は2組、桜果と睦子が3組、そして海紀が4組だった。

「じゃ〜ね〜」

私は皆に挨拶をして教室へはいる。

「おはよ〜」

「はーざいます」

このアゴをしゃくれさせてる子は愛結。

一緒にいて、楽しいし、全力で変顔してくる面白い女の子。

愛結は彼氏がいて、色々気になることとかあるみたいだけど、仲良くやってるみたい。

そして、いつもどおりの授業が始まる。

まぁ、時間というのはあっという間に過ぎて……もう部活の時間。

「バスケ頑張らないとっ!」

実は私にも彼氏がいて。

名前は真咲。

「じゃーなー歌姫華」

「ばいばい」

そして私は真莉といつもどおり体育館へ向かう。

体育館にはすでに3人がいて、バッシュを縛っていた。

私達はバッシュを縛りながら他愛もない話をしていた。

「てか、ビッチとかまぢないよね〜」

睦子がいきなり話を海紀に振る。

「だよね〜。ありえない」

2人が誰の話をしていたのかはすぐにわかった。

私のことだ…。

私は動揺しているのを悟られたくなくて、いつもどおりシュート練習をしていた。

ボールを構えて、打つ。

パシュッ…という音と共にボールがリングの網をとおる。

気持ちが良かった。

「はぁっ…」

不安な気持ちが一気に晴れた感じがして。

「練習始めるよ?」

真莉が皆に声をかける。

皆はコートに並び、メーニューをこなしていく。

私は、最初は頑張ろうって思えた。

でも、メーニューをこなす途中途中に睦子と海紀が、悪口をずっと話している。

まるで、わざと聞こえるように話しているみたいに。

内容が頭に入ってきて、その度に体が固まって、涙がでそうになってすごく辛かった。

でも、そんな日々はずっと続いていく。

止まることを知らなかった。

私は家族に愚痴をこぼしていたが、辛いのは変わりなかった。

そして、いつもどおりの部活。

辛いけど、いかなければいけないと思ってた。

負けたくないから。

あんなやつに負けたくない。

でも、やっぱりダメだった。

体が固まって、辛くて涙が出るのをぐっとこらえて練習をした。

睦子たちは相変わらず悪口ばっかり。

味方の人は誰一人いない。

私が涙をぐっとこらえているとき、ふと真莉の声がした。

「大丈夫だよ」

その一言で涙がぶわっと出てきて止まらなかった。

睦子たちと桜果はトイレに行っている。

「トイレに……行ってくるね」

私は出せる限りの声を出した。

すると、真莉は察してくれたのか、ステージ裏のドアの方を指さして

「あそこでいいよ」

と言ってくれた。

「あり…がと」

私はステージ裏のドアを開けて、階段の所へ立つ。

「うっ……ぇっく。」

涙が止まらなかった。




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