Real~ある一人の少女の話~
私は家族に愚痴をこぼしていたが、辛いのは変わりなかった。

そして、いつもどおりの部活。

辛いけど、いかなければいけないと思ってた。

負けたくないから。

あんなやつに負けたくない。

でも、やっぱりダメだった。

体が固まって、辛くて涙が出るのをぐっとこらえて練習をした。

睦子たちは相変わらず悪口ばっかり。

味方の人は誰一人いない。

私が涙をぐっとこらえているとき、ふと真莉の声がした。

「大丈夫だよ」

その一言で涙がぶわっと出てきて止まらなかった。

睦子たちと桜果はトイレに行っている。

「トイレに……行ってくるね」

私は出せる限りの声を出した。

すると、真莉は察してくれたのか、ステージ裏のドアの方を指さして

「あそこでいいよ」

と言ってくれた。

「あり…がと」

私はステージ裏のドアを開けて、階段の所へ立つ。

「うっ……ぇっく。」

涙が止まらなかった。







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