【完】GAME OVER



なんて考えていたら、思考さえ溶かすほどの甘い口づけをされて。



「なに、」



「ほかのこと考えなくていい」



……ずるい、わね。



何もかも、見透かしてるみたいじゃない。



ああでも、あの時だってそうだったか。



「俺はお前の本心しか聞かねぇ。

偽りの感情を語ってて楽しいか?」



私の瞳を覗き込んで、真剣な声なのに優しく笑ったから。




自分の本心を、見透かされたから。



あの場で泣き崩れた私は、今こうやって彼の隣にいる。



彼の、腕の中にいる。



「もう、宮のことしか考えてない」



そう言って微笑めば、宮はちょっとだけ困ったように微笑んで、私をさらに強く抱きしめた。



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