【完】GAME OVER



……───



「識音、」



囁くような彼の声で、目が覚める。



予想以上に、深く眠っていたらしい。



「宮……おはよう」



今日も仕事の宮は、すでにベッドから出て、シャツを着ている最中で。



「ん、はよ。

今日は朝飯作らなくていいから、その代わり千夜が帰ってきたら開けてやって」



え、ちょっと待って……。




いま何時、と時計を見れば10時前。



土曜日、彼が仕事に行くのは平日よりもすこし遅めの10時だ。



「ご、めん。完璧に寝坊した」



「昨日の夜、結構遅かったしな。

それにお前、最近疲れてただろ」



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