【完】GAME OVER
「いつも見送ってくれんの、すげぇ嬉しいから。
こういう時はちゃんと休んどけ」
「……わかった」
「ん、じゃあ行くからな」
「うん……頑張って、ね」
「ああ」
こんなの、いつもと同じで当たり前のことなのに。
昨日珍しく彼が私に触れてくれたからだろうか。
とてつもなく、さみしい。
「急がなくて、いいけど……。
はやく……帰ってきてね」
私の甘えた言葉に彼はくすっと笑みをこぼすと、私の耳元に唇を寄せた。
「愛してる。
早く帰ってくるから、お利口にな」
彼の言葉ひとつで笑顔になれてしまう私は、案外単純なのかもしれない。