【完】GAME OVER
昨日の時点で、そんなこと言っていたけれど。
「うん……」
千夜ちゃんを抱きしめてあげる。
泣きじゃくるところは、小さいときから変わらない。
どこか、自分の昔にも重なって見える。
「千夜ちゃんは、真面目ね。
梓真くんっていう彼氏がいるから、彼のことを好きになるのが怖いの?」
「あのねっ、」
それから、千夜ちゃんはここ最近起きたことを順番に話してくれた。
「そうだったの……大変だったのね。
気づいてあげられなくて、ごめんなさい」
だけど、ほっとした。
裏切られた彼女を、彼が助けてくれたこと。
彼がいなければ、千夜ちゃんは交通事故に巻き込まれていたかもしれないし、精神的にもつらいことがたくさんあったはずだから。