【完】GAME OVER
「こら。
一騎、女の子がいるときは煙草吸わないようにしてって言ってるでしょ」
「うっせぇな。
親切に見えて一番冷酷なのはお前だっつーのに」
チッ、と再び舌打ちした檜野さんは、煙草を片手に部屋を出ていってしまった。
「ほんと、困ったやつだねぇ」
そう言った紫藤さんに何気なく視線を向ければ、ばっちり目が合ってしまって。
「ん~?
碧で何があったんだよ~」
紫藤さんが、檜野さんも一緒に座っていた左手にある二人がけのソファから、私の隣へ移動してきた。
「え、と……
今日は、いつも通り放課後に倉庫に行ったんです」
「そのとき、矢野は?」
「一緒に、いました。
基本的に、梓真と一緒に行動してたので」
「変わったところはなかった?」
変わった、ところ……。
「いつもより、暗かったような気がします……」