【完】GAME OVER
その言葉に引き止められて。
「ママの思ってたこと、全部見透かされちゃって、パパの前で私も泣きじゃくった記憶があるわ」
抱きしめられて、ほっとして、もうどうなってもいいやと彼に縋った。
あの日の彼はどこまでも温かくて、優しくて、何もかも打ち明けてしまった。
……結局。
彼とふたりでお父さんの元へ行って謝って。
だけど、お父さんは簡単に許してくれた。
彼氏がいたなら言えばよかったのに、って。
その後、家は没落してしまったけれど、お父さんが体調を崩してたから、どっちにしてもこうなってたとお父さんは笑って言ってた。
笑い事じゃないでしょ、と思ったけど。
そのおかげで、いまの私は宮と一緒にいられる。
「ママはね、婚約者じゃなくて宮のことを選んだの。
千夜ちゃんも……チームに縛られずに、自分の気持ちを選んだっていいんじゃないかしら」