【完】GAME OVER
その日の晩、帰ってきたパパに、なぜかママがべったりで。
「宮」
「そんなにさみしかったのか」
「うん、さみしかった」
「……ん」
抱きついてるママの頭をぽんぽんと撫でながら、パパは私に視線を移して困ったように微笑んだ。
「識音、飯どうすんだ」
「うん……作る」
そうは言うけれど、ママは本当にさみしかったらしく、パパから離れない。
ママがこんなにもパパに甘えてるのは初めてで、だからこそ。
「ママ、私が作ってもいい?」
邪魔、してあげたくなかったんだ。
ママは顔を上げて、それから「でも、」と口を開くけれど、ママの手はしっかりとパパの腕を掴んでる。