【完】GAME OVER
あくまで、私の見たところだけど。
なんだか表情が暗くて、大丈夫?と聞いた記憶があるし……。
「そっか。
それだと、既に裏切りらしき話を聞いてた可能性があるね」
佐々木さんから、放たれた言葉に、小さく頷く。
「それで、倉庫に行ってからは……?」
「行ってすぐに、幹部室に入ったんです。
そうしたら、親友がいて、どうしたのかな?って思ったら、」
ずき、と、胸が痛む。
「裏切ったって、言われたんだね」
声を発したら震える気がして、頷くことしかできない。
「その親友の名前は?」
「幸崎 乃花(こうざき ののか)、です」
「はっ」
乾いた笑いが、部屋にこだまする。
笑った張本人である南さんは、私に向かって口を開いた。
「基本俺は人を簡単に信じねぇけど、
今回はお前は何も悪くなさそうだな」