【完】GAME OVER
「え?」
「珍しい名前だったから、覚えてる。
その女、つい最近俺に告白してきた女のひとりだ」
「、」
「でもまぁ、俺のブランド目当てどころか、目当てはCHESSだったみたいだしな。
それもなんとなくわかったし、フッた」
それの八つ当たりだろ、と彼は言うけど。
そんな、八つ当たりで、私の居場所を奪ったの?
「頭の切れそうな女だったし、試しかなんかにお前を使ったんだろ。
まぁ、運が悪かったとしか言いようがねぇな」
はらり、と。
思わず、涙がこぼれ落ちた。
そんなのって、ない。
私がどれだけあの場所を大切にしていたのか、そばにいたらわかってるはずなのに。
「ま、逆にお前が充実してたんなら、それを見て腹立ってやったっつう可能性もあるけどな」